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HIV(エイズ)
human
immunodeficiency
virus
HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)」のことです。HIVに感染し一定期間を経過後に発症する疾患を、「エイズ(後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome, AIDS))と呼びます。勘違いしやすいのですが、HIV感染=エイズではありません。 HIVに感染し、治療せずにいると発症する疾患が、エイズです。
エイズは 1981年にアメリカで認識された疾患で、1983年にその原因ウイルスHIVが発見されました。その当時、原因(病原体)が不明なエイズが突然現れたこと、治療法がなくエイズを発症するとごく短期間で死亡すること、患者層が偏っていたことなどから世界中で注目され、いわゆる「エイズパニック」が起こりました。
近年になり、HIV/エイズに対する治療薬や治療方法が進歩し、感染者の予後は飛躍的に良くなりましたが、一方で、日本では現在もHIV感染者、エイズ患者ともに増加傾向にあります。
HIV感染症は発生報告が義務づけられている「第5類感染症」です。国内のHIV感染発生数は厚生労働省エイズ発生動向委員会に報告され、公開されています。それによると、2024年1月1日~12月31日の1年間の新規HIV感染者報告数は664件、新規エイズ患者報告数は336件です。
新規HIV感染者は、同性間性的接触が419件(約63%)、異性間性的接触が106件(約16%)と性的接触によるものが多く、年齢は20~40歳代が多い結果となっています。
新規HIV患者数は、2023年と比較して概ね横ばいという結果です。これは保健所等での検査件数が増えていないことが影響している可能性もあるということでした。
新規エイズ患者では、同性間性的接触が173件(約51%)、異性間性的接触が54件(約16%)と、こちらも性的接触によるものが多く、年齢は30~50歳代が多くなりました。新規エイズ患者報告数の割合が全体の報告者数の33.6%と、過去20年間の中で最も高い結果が報告されています。これは新型コロナ感染症の流行などによりHIV検査を受ける人が減少してしまったことで、エイズ発症まで気づかず受診しなかった患者が増加しているのではないかと考えられています。
エイズの原因となる微生物はヒト免疫不全ウイルス(HIV)です。HIVはその構造の違いからHIV-1とHIV-2に分類されます。このうちHIV-1はさらに4つのグループに分かれ、そのうちのGroupMはさらに11のサブタイプに分かれます。世界的にみるともっとも感染者数が多いのはサブタイプCですが、日本国内ではサブタイプBの感染者がおよそ88%を占めています。
このウイルスが体内に入ると、血液中などにある『リンパ球』が破壊されます。リンパ球は体内に侵入した病原体や異物を攻撃して排除してくれる(体を病気から守る)役割がありますが、リンパ球が破壊されることにより、健康時には感染しない感染症やがんなどにかかりやすくなってしまいます。
HIVの主な感染経路は主に3つあります。
唾液や汗・涙に含まれるHIVはごくわずかであり、血液や体液に直接触れなければ日常生活で感染することはほとんどありません。日本での報告例の多くは性的接触または母子感染です。
HIV感染からエイズ発症、死に至るまでは大きく3つの時期に分かれます。
このように、HIVに感染しているにもかかわらず治療をしないで放っておくと、いずれエイズを発症します。一方、数年~10年ほどは症状がほとんどないため、感染しているかどうかは検査を受けるまで分かりません。
HIV感染の有無は、HIVに対する抗体が体内にできているかどうかを調べることで分かります。早期発見、早期治療のためにもHIV検査が重要です。HIVに感染すると、一定期間(6~8週間)を経て、血液中にHIV抗体が検出されます。採血による血液検査を行い、HIV感染の有無を確認します。検査の種類は抗体検査、抗原抗体同時検査、抗原検査、核酸増幅検査(NET)などがあります。
検査が可能となる時期は、検査の種類によって異なり、感染の機会から約2週間以上で受けられる検査もあれば、約4週間以上経ってから受けられる検査もあります。しかし、感染の機会から3ヶ月以内に検査した場合、感染していても陰性になる場合があります。この期間をウィンドウ期といいますが、感染の有無をはっきりとさせたい場合(確定診断)は、ウィンドウ期を過ぎてから抗体検査を受けた方が良いこともあります。あるいは、もう少し早い時期に陰性となった場合でも、心配な方は医療機関を受診し、相談してみましょう。ウィンドウ期を過ぎてから検査し陰性となった場合は、ほぼ感染していないといえます。
HIVの検査は、全国の保健所や、泌尿器科、産婦人科、性感染症科などの医療機関で受けることができます。検査に予約が必要かどうかなども含め、時間や費用などの詳細は事前にご確認ください。保健所での検査結果が「陽性」となった場合は、医療機関を受診しましょう。
残念ながら現在のところ、ウイルスを完全に排除する治療薬はありません。しかしながら治療は飛躍的に進歩しており、エイズを発症させずに生活を続けていくことは可能です。
HIVに感染しているかどうかを検査で早く知り、すぐに治療を始めればエイズの発症を抑えることができます。早期発見、早期治療がカギなのです。
具体的には、抗HIV薬と呼ばれる内服薬を3剤以上組み合わせて投与する『多剤併用療法』が一般的です。日本では6つのタイプの薬剤が使用可能で、この中から3~4剤を組み合わせて服用します。近年は3~4剤を一つにした「合剤」も開発されており、1日1回1錠という服薬方法も選択できる場合があります。詳しくは医療機関で確認してみましょう。
HIVに感染しても、早期に発見し抗HIV薬をきちんと服用すれば生命予後は非感染者と変わりません。しかし抗HIV薬はウィルス自体を根絶できるものではありませんので、生涯にわたって服用を継続する必要があります。
エイズのワクチンはないため、自分で感染から身を守るしかありません。感染経路を正しく理解すること、そして日頃から感染を防ぐ方法を実際に行っていくことが有効です。
不特定多数の方との性交渉は避け、性行為の際はコンドームを正しく使用することが大切です。ご自身やパートナーに妊娠の希望があるなら、パートナーと共に事前に検査を受けることをお勧めします。
また、HIVは感染力が弱いため、性行為以外の日常生活で感染する可能性はとても低いです。しかし可能性はゼロではありませんので、血液がつきやすいカミソリや歯ブラシ、タオルなどの共用は、避けることが望ましいでしょう。
HIVへの感染やエイズの発症は、誰にでも起こりえることです。他人ごとにせず、正しい知識を持って行動していきましょう。
※本文は、日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS及びJSAPS)所属のアモーレクリニック院長 鈴木秀明 医師の監修のもと、内容の正確性や信頼性を確認しています
HIV感染症です。これは血液を介して感染する病気で、何年もかけてから発症します。それまでは症状が出ないため検査をしないと発見できず、その間、大切なパートナーをはじめ周りの人に感染させてしまうリスクが生じます。ただ一度発症すると、後天性免疫不全症候群と言って、普通なら致死性もないような細菌、ウイルスなどでも、抵抗することができず、命に関わる症状を起こしてしまうことがあります。予防接種はなく、AIDSが発症してからは対症療法しか方法がありません。そんな怖い病気ですが、早めの検査で早期発見をして、抗HIV薬をスタートすることで、AIDS発症を防ぐことができるようになっています。
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