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性病について
sexually transmitted diseases

アモーレクリニック HOME性病について淋病(淋菌感染症)

淋病(淋菌感染症)

淋菌性尿道炎/淋菌咽頭炎/淋菌性結膜炎

gonorrhea

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淋病とは

淋菌の感染による性感染症(性病)で、正式には淋菌感染症といい、感染例は世界中で報告されています。性器クラミジア感染症と並ぶ高頻度の性感染症です。
国内での感染者数は20歳代に最も多く、感染者の多くは男性ですが、女性の自覚症状がほとんどなく、受診に至る数が少ないことが要因となっています。厚生労働省が公表している感染報告数によると、ここ10年ほど全体の数はとびぬけた増減はみられず横ばい状態といっていいかもしれません。しかし、やはり男女の差は大きく、圧倒的に男性が多くなっています。
なお、この統計で使われている報告数は定点観測によるものですから、報告義務のある指定医療機関の数と実際の医療機関数から考えると、実際の患者数はこの報告数のおよそ20倍になると考えられており、データ直近の2022年の定点報告数は約1万ですから国内の淋病患者数はおよそ20万人と考えられるということになります。また、近年の研究では、淋病からHIV感染が容易になるという報告もあるため、重要な疾患の1つとして捉えられています。
淋病は再感染する疾患です。

淋菌感染症 男女別感染報告数推移

淋病の原因微生物

原因となる微生物は淋菌(Neisseria gonorrheae)です。精液、膣分泌液、咽頭粘膜などに存在していた淋菌が、相手の粘膜に接触することでヒトからヒトに感染します。淋菌は、粘膜から離れると感染性を保たれるのは数時間しかない上、低温にも高温にも弱く通常の環境で生き続くけることはできず、日光、温度変化、消毒剤、乾燥などで死滅してしまいます。つまり感染経路はヒトからヒトに限られるということです。感染経路のほとんどは性交や類似行為で、1回の性行為による感染伝達率は約30%と高いと考えられています。性交や類似行為以外ではタオルや手指を介したものが疑われる症例や、出産の際の産道感染もあります。

淋病の症状

潜伏期間は2~9日とされています。感染すると、主に男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎を起こすことが多い感染症です。

男性の場合

尿道炎
感染すると粘膜に炎症を起こします。排尿時の強い痛み、尿道から分泌物が出る、頻尿になる、などの症状が現れます。膿は黄白色で粘性があり、分泌量が多量であることが特徴です。分泌物は排尿から30分以上経てば外尿道口にみられるようになり、一旦拭っても陰茎腹側を根部から尿道に沿って外尿道口方向に押し出すと再度確認できる状態になります。
クラミジア感染を合併していることが多い症状です。
前立腺炎、精巣上体炎
男性は尿道炎としての発症が一般的ですが、治療せずに進行すると、淋菌が生殖器官をさかのぼり前立腺炎や精巣上体炎になることもあります。
精巣上体炎の場合、片側からはじまり放置すると両側へと進行します。炎症症状は強く患部は大きく腫れ、歩くことが難しいほどになることもあります。多くの場合は発熱し、全身性の炎症症状となります。後遺症として無精子症や尿道狭窄が起こり、不妊症につながることもあります。クラミジア感染を合併していることが多い症状です。

女性の場合

子宮頸管炎、尿道炎
おりものの量が増える、色やにおいがいつもと違う、不正出血などの症状が現れます。ただし、特に子宮頸管炎のみの場合、感染しても無症状やごく軽度の場合もあるため、感染に気づかないまま進行したり、感染源となったりします。
卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎
女性は子宮頚管炎や尿道炎としての発症が一般的ですが、進行すると子宮頸管からさかのぼって感染が広がり、卵管炎や卵巣炎、腹膜炎になることもあります。この場合、下腹部痛が起こったり発熱したりしますが、こうした症状が淋菌感染のものと自覚できないことも多く、さらなる感染源にもなってしまうため注意が必要です。後遺症の一つに不妊症があります。

他に、肛門性交により直腸炎肛門周囲炎を発症することがあります。症状が現れないことも多く、症状ある場合は、不快感、ムズムズしたかゆみ、出血、痛みなどがみられます。
口腔性交を行った場合、淋菌咽頭炎の発症にもつながります。症状が現れないか乏しいことが多いため感染に気づかず、性器感染の治療が終わっても咽頭感染が続くことで、他者への感染源となることがあります。
目の結膜で炎症が起こると淋菌性結膜炎となります。成人の場合は淋菌に触れたことや感染した性器からの自家接種によります。片眼に症状が現れることが通常です。感染後12~48時間で、ひどいまぶたのむくみ、結膜のむくみ、大量の膿のような液体が出るなどの症状がみられます。まれですが、角膜の膿瘍・潰瘍、穿孔、全眼球炎、失明などの合併症があります。

治療せずに放置した場合、血液に淋菌が含まれ症状が全身に広がることもあります。皮膚炎や関節炎が典型例ですが、この場合は急激に発症します。発熱、腫れ、関節痛、関節動作の制限、関節部の発熱・圧痛などの症状が現れます。典型例以外では、髄膜炎、心膜炎、心内膜炎、肝周囲炎を起こすこともあります。

淋病の検査

淋病の検査法にはいくつかの種類があります。
検体を採取する部位は、陰茎、子宮頸部、のど、肛門です。検体は、男性では尿や膿、女性では膣分泌物、また男女共通の検体として、うがい液、肛門分泌物などがあります。
検査法は、検体を染色して顕微鏡で確認する方法(検鏡法)、淋菌を人工的に増やして特定する方法(培養法)、淋菌特有の遺伝物質を検出する方法(核酸増幅法)などがあります。これらのなかから検体等に応じて検査方法が選択されます。

検鏡法
迅速検査に有用な検査法。尿道炎では必須となるが、淋菌以外の細菌の存在が考えられる検体部位(子宮頚管、直腸、咽頭)では推奨されない。
培養法
国内では淋菌の多剤耐性が増加していることから推奨される。検体採取した部位によって培地の選択が異なる。
核酸増幅検査法
PCR法:他の細菌との交差反応がみられるため、咽頭、直腸の検体で推奨されない。
SDA法:クラミジアとの同時検査可能なため、推奨される。ただし、薬剤感受性が不明。
TMA法:クラミジアとの同時検査可能なため、推奨される。ただし、薬剤感受性が不明。咽頭検体など保険適用されない。

なお、自宅にいながらご自分で検体を採取し郵送して結果を出してもらう検査キットなども知られていますが、こうした検査キットでは精密検査に比べ検査精度が劣ります。精度だけでなく、検体の汚染や保存の正確性などの点においても正しい結果につながらない可能性があります。安価で手軽さがあると思いますが、専門家の立場からはおすすめできないと考えています。

淋病の治療

抗菌薬の投与が有効です。抗菌薬の乱用による耐性菌の登場によって使用できる薬剤は限られており、有効性と保険適用の観点から、薬剤は点滴注射や筋肉注射、静脈注射で投与するセフトリアキソン、スペクチノマイシン、セフォジジムが用いられます。症状や重症度など患者さんに応じて第一選択される薬剤、投与法、投与量などが異なります。
なお、治療後には淋菌感染症が治ったかどうかを確認する検査を、適切な時期に行うことをおすすめしています。確認検査については、症状や薬剤などによって検査の要不要や実施推奨時期などが異なることがあります。

淋病のまとめ

性行動の多様化もあり性器以外の感染も多い淋病ですが、淋菌検出率が飛躍的に向上していますので、早期に発見し適切な治療によって治すこと、重篤な合併症の発症を避けることが可能です。特に女性は男性に比べ自覚症状に乏しいことが多いため、放置してしまいがちで、合併の症発症や感染源になることが多くなっているのが問題視されています。
淋菌感染症であることが分かったら、自覚症状の有無に関わらずパートナーも一緒に受診し、しっかりと治療する必要があります。また、感染リスクを大幅に低下させるためには、コンドームの正しい着用、不特定多数と性行為は避けることがとても大切です。

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アモーレクリニック
統括院長 兼 名古屋院院長
医師鈴木 秀明

※本文は、日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS及びJSAPS)所属のアモーレクリニック院長 鈴木秀明 医師の監修のもと、内容の正確性や信頼性を確認しています

膿が出たり痛みを伴ったりする淋菌は立派な性病の症状の一つです。殆どが性行為にて感染しますが女性側に自覚症状がないのが特徴ですので既に感染してしているか女性側は分かりません。抗生剤の治療で比較的簡単に治すことができますので、安易に放置せずに速やかに治してしまった方が良いです。

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