2023.01.27更新日:2026.05.22
亀頭オナニーが原因?亀頭包皮炎の症状サイン(赤み・悪臭)と正しい治し方を医師が解説

マスターベーション後に亀頭や包皮が赤く腫れたり、かゆみやヒリヒリ感が出たりすると、「性感染症ではないか」と不安になる方もいます。
こうした症状は、摩擦や洗いすぎ、細菌・カンジダなどによる亀頭包皮炎が関係している場合があります。ただし、性感染症や接触皮膚炎などでも似た症状が出るため、症状が続く場合は医療機関で確認することが大切です。
この記事では、なぜ自慰行為などの摩擦がきっかけで亀頭包皮炎になりやすいのか、症状の見分け方や間違った自己流ケアの危険性、そして再発を防ぐための治療の選択肢について、わかりやすくお話しします。
「亀頭オナニーをしたら赤く腫れて痛い」その症状、亀頭包皮炎かもしれません

亀頭包皮炎とは?(亀頭や包皮に細菌・カビが繁殖して起こる炎症病態)
「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」とは、ペニスの先端である「亀頭」と、それを覆う「包皮」の間に炎症が起きる病気です。男性のデリケートゾーンの悩みの中で、とてもよく見られるものの一つです。
健康な状態のペニスの皮膚には、外部からの病原菌の侵入を防ぐ強力なバリア機能(常在菌のバランスや皮脂膜)が備わっています。しかし、何らかの理由でこのバリア機能が低下すると、普段は悪さをしない雑菌(ブドウ球菌や大腸菌などの細菌類)や、人間の皮膚に常在しているカンジダ属と呼ばれる真菌(しんきん:カビの仲間)が、ペニスの皮膚の傷口や湿った環境を利用して増殖しやすくなります。その結果、真っ赤に腫れ上がったり、強いかゆみや痛みを引き起こしたりする炎症が起きてしまうのです。
「性感染症(性病)」との違いを見分けるポイントと不安の解消
亀頭が赤く荒れたり分泌物が出たりすると、「淋病や梅毒などの性感染症(STD)にかかってしまった」と強い不安を感じる方がいます。
確かに、梅毒の初期症状(硬性下疳)や性器ヘルペスなどでも亀頭に潰瘍(ただれ)や水ぶくれが生じることがありますが、亀頭包皮炎と性感染症とでは、いくつか違いの目安があります。
クラミジアや淋菌感染症では、排尿時痛や尿道からの分泌物がみられることがあります。一方で、性感染症の症状には個人差があり、無症状のこともあります。亀頭や包皮の赤みだけで原因を判断することはできません。
これに対し亀頭包皮炎は、尿道の中からではなく「亀頭の表面の皮膚」や「カリ首の裏の溝(冠状溝)」、「包皮の内側」が広範囲にわたって赤くただれ、下着が擦れるだけでもヒリヒリとした激しい表面的な「痛み」や「強いかゆみ」を伴うのが特徴です。ただし、亀頭包皮炎と性感染症は、症状や発症タイミングだけで完全に見分けることはできません。尿道から膿が出る、排尿時痛がある、水ぶくれや潰瘍がある、性行為の心当たりがある場合は、性感染症の検査も検討する必要があります。
亀頭包皮炎と間違えやすい「その他の皮膚疾患」
亀頭や包皮に赤みや痛みが出た場合、性感染症以外にも「皮膚の病気」が隠れていることがあります。亀頭包皮炎と症状が似ているため、自己判断で誤ったケアをしてしまうと症状をこじらせる原因になります。
- 接触皮膚炎(かぶれ):新しい下着の染料や繊維、洗濯洗剤の残り、あるいは避妊具(コンドーム)のラテックス素材などにアレルギー反応を起こし、ペニスの皮膚が赤くかぶれる状態です。洗っても治らず、原因となる物質との接触を絶たない限り炎症が続きます。
- 固定薬疹(こていやくしん):風邪薬や鎮痛剤などの特定の市販薬・処方薬を飲んだ後、数時間から数日以内に、毎回ペニスの同じ場所に丸くて赤い斑点や水ぶくれができるアレルギー反応の一種です。「薬の副作用」が原因であるため、原因となる薬の服用を中止する必要があります。
- 乾癬(かんせん):全身の皮膚に銀白色のフケのようなものが伴う赤い斑点ができる慢性の皮膚疾患ですが、稀にペニスの亀頭部にのみ初期症状として現れることがあります。細菌やカビが原因ではないため、抗生物質や抗真菌薬を塗っても効果がありません。
このように、「赤く腫れているから亀頭包皮炎だろう」と思い込んでいても、実際にはまったく異なる皮膚疾患である可能性があります。原因に合った適切な治療を行わないと改善しないため、症状が長引く場合は皮膚科や泌尿器科での鑑別診断が重要になります。
そのまま放置するとどうなる?(慢性化や排尿痛、癒着リスク)
「少し痛いだけだから、数日我慢すればそのうち自然に治るだろう」と安易に放置せず、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。健康で免疫力が高く、ごく軽度の炎症であれば自己治癒することもありますが、細菌やカビが大量に増殖してひどく赤みを帯びている状態を放置すると、炎症が広がったり、症状が強くなったりすることがあります。
重症化すると、尿道口の周囲まで炎症が広がり、排尿時に強い痛みを伴うことがあります。また、炎症を繰り返すと、包皮が硬くなったり、亀頭とくっついてむけにくくなる「癒着(ゆちゃく)」を起こすリスクもあります。強い腫れや痛み、排尿時痛、包皮が戻らないなどの症状がある場合は、早めの診察が必要になる場合もあるため、早めに医療機関を受診してください。
なぜマスターベーションの摩擦が、亀頭包皮炎のきっかけになることがあるのか?
では、なぜカリ首などを重点的に擦るマスターベーションをした後に亀頭包皮炎を発症することがあるのでしょうか。そこには、主に以下の3つのような理由が関係していると考えられます。
原因1. ローション不足や激しい摩擦による皮膚の「微細な傷(マイクロトラウマ)」
強い摩擦や長時間の刺激は、亀頭や包皮に目に見えないほどの小さな傷をつくり、亀頭包皮炎のきっかけになることがあります。亀頭や包皮の内側の粘膜は、人間の体の中でも唇の粘膜と同じか、それ以上に極めて薄くデリケートな構造をしています。
本来、パートナーとの性行為(腟内への挿入)においては、女性側の分泌液(愛液)という天然の潤滑油が存在するため、ペニスの皮膚には直接強い摩擦がかからないように守られるようになっています。しかし、自己流の亀頭オナニーにおいて、潤滑ローションを一切使わずに乾いた手でそのまま擦ったり、射精を急ぐあまり異常な強さやスピードで摩擦を繰り返したりすると、この薄い粘膜の表面に、目に見えない小さな傷ができてしまいます。ひどい場合には表皮が破れて陰茎から出血するケースもあります。皮膚のバリア機能が低下するため、そこへ常在菌などが侵入し、炎症を引き起こす要因となります。
原因2. 行為後の「洗い残し」や「不十分な拭き取り」による細菌繁殖
亀頭オナニーで射精をした後、そのまま疲れて寝てしまったり、ティッシュペーパーで適当に精液を拭き取っただけで済ませていませんか?この「行為後の不衛生な状態」が、亀頭包皮炎の2つ目の引き金となります。
精液や前立腺液、行為に使用したローションなどの残留物は、包皮内に残ると細菌や真菌が増えやすい要因になることがあります。ペニスの皮の内側(特に亀頭のカリ首の裏側)は、湿気がこもりやすく、菌が繁殖しやすい環境になりやすい部位です。そこに微細な傷(侵入口)と、豊富な栄養分(精液の洗い残し)が合わさることで、短期間で菌が増え、翌朝には赤く腫れ上がり、強い症状が出てしまうことがあります。
原因3. 免疫力の低下や、ボディソープの洗いすぎによる「バリア機能の破壊」
「自分は毎日お風呂で、ボディソープを使って亀頭の裏の奥の奥まで徹底的に念入りに洗っているから清潔だ!」と清潔にしようとして洗いすぎてしまう方もいます。
洗浄力の強いアルカリ性の市販ボディソープや石鹸で、デリケートな亀頭をゴシゴシと洗いすぎる行為は、皮膚を守っている「皮脂膜」や、悪玉菌の繁殖を抑え込んでくれている「善玉の常在菌」などのバランスや皮脂膜を乱してしまうことになります。バリア機能が低下した皮膚は、潤いを保てずにひどく乾燥し、少し下着が擦れただけでも荒れて炎症を起こしやすくなります。
さらに、過度なストレスや睡眠不足、仕事の過労などによって全身の免疫系が低下しているタイミングで過激な頻度で過度なオナニーを行ってしまうと、常在菌のバランスが崩れ、炎症が起こりやすくなる場合があります。普段よりも亀頭包皮炎になりやすくなってしまいます。
日常生活に潜む「摩擦」と「免疫低下」の思わぬリスク

亀頭包皮炎のきっかけとなるのは、マスターベーションや性行為による激しい摩擦だけではありません。日常生活の中にも、デリケートゾーンのバリア機能を低下させ、細菌やカビが繁殖しやすくなるリスクが潜んでいます。
きつい下着やスポーツによる「慢性的な擦れ」
サイズの合わない窮屈なブリーフやボクサーパンツ、あるいは通気性の悪い化学繊維の下着を長時間着用していると、歩くたびに亀頭や包皮が生地と擦れ合い、持続的なダメージ(微小な傷)を受け続けることになります。
また、ロードバイク(自転車)のサドルによる長時間の圧迫や、長距離のマラソン、乗馬といったスポーツも、股間部分に強い摩擦と蒸れを発生させます。大量の汗をかいた状態で股間が擦れると、皮膚のバリア機能が低下し、汗に含まれるアンモニアや細菌が傷口から侵入して亀頭包皮炎を発症しやすくなります。スポーツ後は速やかにシャワーを浴びて清潔な下着に着替えるなど、日常的なケアが予防につながります。
加齢による皮膚の乾燥とストレス・疲労
年齢を重ねると、全身の皮膚だけでなくペニスの皮膚も水分量や皮脂の分泌量が減少し、乾燥しやすくなります。乾燥した皮膚はバリア機能が弱く、少しの刺激で荒れやすいため、若い頃と同じ感覚で洗ったり擦ったりすると簡単に炎症を起こしてしまいます。
さらに、仕事の過労や極度のストレス、慢性的な睡眠不足などが重なると、自律神経の乱れから全身の免疫機能が一時的に低下します。普段なら自身の免疫力で抑え込めているはずの常在菌(肌に住み着いている弱い菌)の繁殖を許してしまい、「何も特別なことをしていないのに、突然亀頭が赤く腫れて痒くなった」という事態を引き起こすことがあります。
危険度チェック!亀頭包皮炎の代表的な4つの症状サイン
ご自身の今のペニスの状態が、一時的な摩擦による単純な赤み(一過性のもの)なのか、それとも本格的な細菌・真菌感染を伴う「亀頭包皮炎」へと進行してしまっているのか。泌尿器科でもよく見られる、代表的な4つのサインをご紹介します。
サイン1. 亀頭や包皮の全体的な「赤み・腫れ・ヒリヒリとした痛み」
最も初期に現れやすく、かつ最も不快感が強いのが「発赤(ほっせき:赤くなること)」と「疼痛(とうつう:痛み)」です。
亀頭の表面や、包皮の内側の粘膜が、赤くまだらに見えることがあります。また、包皮全体がむくんで腫れることがあり、パンツなどの下着がわずかに触れただけでも、ヒリヒリ、ジンジンとした強い痛みを生じます。座ったり歩いたりする等、日常生活の単純な動作すら苦痛に感じるレベルであれば、重症の炎症が起きています。
サイン2. チーズのような「白いカス(恥垢)」が増える
毎日お風呂で綺麗に洗っているはずなのに、夕方や行為の翌日になると、亀頭のカリの裏の溝(冠状溝)に沿って、カッテージチーズやおからのようなボロボロとした「大量の白いカス」がこびりついていることはありませんか?
このカスの正体は「恥垢(ちこう)」と呼ばれ、剥がれ落ちた古い皮膚の角質と細菌、そして汗や皮脂が混ざり合った老廃物の塊です。正常な状態でもごく少量は発生しますが、亀頭包皮炎(特にカンジダなどの真菌が原因の場合)にかかっていると、この白いカスが増えることがあります。繰り返し付着する場合があります。
サイン3. ツンとするような強い「悪臭(生臭い臭い)」が漂う
白や黄ばんだカスが増えると、においが強くなることがあります。汗や皮脂、恥垢、細菌の増殖などが関係する場合があります。においが続く場合は、清潔ケアだけでなく医療機関で原因を確認しましょう。
サイン4. 包皮がむけなくなる、あるいは無理にむくと痛い
普段は皮を後ろまでスムーズに剥くことができている方でも、炎症が強いと包皮がむけにくくなることがあります。無理にむくと皮膚が裂けたり、痛みや出血を伴ったりする場合があります。
また、むいた包皮が元に戻らなくなると「カントン包茎」という状態になり、早急な処置が必要になることがあります。
症状が出た場合の「正しいセルフケア」と「決してやってはいけないNG行動」
もし上記のサインに当てはまり、「これは完全に亀頭包皮炎だ」とパニックになったとしても、決して焦って自己流の無茶な治癒行動に走らないでください。間違った自己流のケアが、かえって症状を長引かせる原因になることがあります。
【重要】炎症が落ち着くまでは、自慰行為や性行為はお休みする
最初にすべき最重要のセルフケアは、患部をしっかり休ませることです。
「少しくらいなら大丈夫だろう」「1日だけ休んだから治ったはずだ」と油断して再び亀頭オナニーを行ったり、パートナーと挿入行為を行ったりすると、少しだけ塞がりかけていた微細な傷口が再び大きく引き裂かれ、細菌が奥深くまで押し込まれることで、炎症が悪化する恐れがあります。症状が落ち着くまでは、性行為や自慰行為は控えてください。
NG行動1. 洗浄力の強い市販の石鹸やボディソープでゴシゴシと洗う
「バイ菌がいるなら、徹底的に除菌して洗い流せばいい!」と思い込み、薬用の強力な殺菌ハンドソープや、ボディタオル・スポンジを使って亀頭の裏をゴシゴシと力任せに擦り洗いするのは、症状を悪化させる可能性があるため避けましょう。
前述の通り、人間のデリケートゾーンの皮膚構造は非常に脆く、強力なアルカリ性の石鹸成分を直接擦り込むと、皮膚への刺激が強くなり、さらに炎症を悪化させてしまう場合があります。洗えば洗うほど痛みが強くなり、皮膚のバリア機能が傷ついて治りが遅くなってしまうため、必ず避けてください。
NG行動2. 市販薬を自己判断で塗る(カンジダ性の場合は悪化のリスクも)
「とりあえず家にあったオロナイン軟膏や、虫刺され用のステロイド系のかゆみ止めクリームを塗っておこう」という自己判断での使用は注意が必要です。
一口に亀頭包皮炎と言っても、原因が「大腸菌やブドウ球菌などの細菌」である場合と、「カンジダ菌などの真菌(カビ)」である場合、あるいは単なる傷の炎症である場合で、適した薬(医薬品成分)が全く正反対に異なります。
例えば、もしあなたの亀頭包皮炎の原因がカンジダという「カビ」であるにも関わらず、家にあった弱い「ステロイド剤(免疫反応を部分的に抑える薬)」を自己判断で塗ってしまった場合、皮膚の炎症反応が抑えられ、原因によっては症状が悪化することがあります。自己判断で適当な薬を塗ることは、かえって治りを遅らせる原因になります。
正しい患部の洗い方(ぬるま湯での優しくすすぎ洗いと完全な乾燥)
炎症が強いときは、刺激の強い石けんやボディソープでこすらず、ぬるま湯でやさしく洗い流しましょう。
洗った後は清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取り、蒸れないようにしてください。この「刺激を避けて清潔に保つこと」こそが、推奨される応急処置です。
なかなか治らない・繰り返す亀頭包皮炎はクリニックへご相談を
正しいセルフケア(非刺激と乾燥)を数日間実践しても症状が全く改善しない場合、あるいは「一旦は治ったように見えたのに、少しオナニーをするとまたすぐに赤く腫れてぶり返してしまう」という負のループに陥っている場合は、自力で治すのは難しい状態かもしれません。早めに医療機関(泌尿器科やメンズクリニック)を受診し、医師の診察を受けることをおすすめします。
クリニックでの検査と診察の流れ(痛みや恥ずかしさへの配慮)
「病院に行きたいけれど、痛い検査をされるのではないか」「患部を見せるのが恥ずかしい」とためらって放置してしまう方は少なくありません。しかし、亀頭包皮炎の検査は決して恐ろしいものではありません。一般的なクリニックでの診察・検査の流れは以下のようになります。
- 問診:いつから症状が出たか、痛みやかゆみの強さ、思い当たるきっかけ(マスターベーションや性行為など)、持病(糖尿病など)の有無を医師が丁寧に伺います。
- 視診(患部の確認):医師がペニスの状態(赤み、腫れ、分泌物、カスの有無、包皮のむけ具合など)を目で見て確認します。恥ずかしさを感じるかもしれませんが、医師は見慣れており、医学的な視点で迅速に状態を把握します。
- 表面培養検査(必要な場合):症状が重い場合や、原因菌を正確に特定する必要がある場合は、患部の表面(カスや分泌物)を専用の柔らかい綿棒で軽くこすり取って検査に出します。尿道に器具を入れるような強い痛みを伴う検査ではないため、ご安心ください。
これらの情報をもとに、医師が「細菌性」「真菌(カンジダ)性」「その他の皮膚疾患」を症状や必要な検査をもとに原因を判断し、状態に応じた薬を処方します。検査内容によっては、結果が出るまでに時間がかかる場合があります。一人で悩むよりも、まずは医師に状態を正確に見極めてもらうことが早期改善への第一歩です。
クリニックでの治療(お薬の処方)について
クリニックを受診した場合、医師はまず視診や必要に応じた表面培養検査などを行い、「今起きている炎症の原因は、細菌なのかカビ(真菌)なのか、それとも混ざっているのか」という原因をしっかり調べた上で、その菌に合った適切な塗り薬などを処方します。
カンジダなどの真菌が原因と考えられる場合は「抗真菌薬(こうしんきんやく)の軟膏」を、大腸菌やブドウ球菌による化膿性のものであれば「抗生物質(こうせいぶっしつ)の入った軟膏」を処方し、場合によっては細菌の増殖を体内から押しとどめるために内服薬(飲み薬)も組み合わせて処方されます。
自己判断で市販薬を塗るのとは違い、医師が原因に合わせて薬を選ぶことで、なかなか治らずにつらかった症状も、原因に合った治療を行うことで、数日〜1週間ほどで症状が落ち着いてくる場合があります。改善までの期間には個人差があります。
なぜ、薬を塗っても何度も「再発」を繰り返してしまうのか?
しかし、薬を塗って「症状がいったん消えた」としても、それは根本的な原因が解決したわけではありません。「薬を塗って良くなったので自慰行為を再開したら、また同じように腫れてしまった」と、何度も症状を繰り返してご相談に来られる方は少なくありません。
なぜ、薬を塗っていったん良くなっても、また再発してしまうのでしょうか。その理由の一つとして、「包茎(仮性包茎など)によって皮がかぶさっていること」が関係している場合があります。
ペニスの皮(包皮)が常に亀頭を覆い隠している状態は、まるで密閉された湿気だらけの温室のようなものです。薬で一時的に菌を抑え込めたとしても、皮をかぶった状態は「菌が繁殖しやすい高温多湿の環境」であることに変わりはないため、オナニーによる些細な傷などをきっかけとして、亀頭包皮炎を再発しやすくなってしまいます。
再発を防ぐための選択肢「包茎手術」について
包皮がむけにくい、清潔を保ちにくい、炎症を繰り返すといった場合には、「包茎手術(環状切除術など)」による包皮の切除が選択肢になることがあります。
余分な皮を外科的に取り除き、亀頭を露出させることで、細菌やカビが好む「高温多湿の環境」が減るため、亀頭包皮炎が発症する要因の一つを取り除くことができます。
包茎手術を終えた後は日常的なケアがしやすくなり、再発リスクの軽減につながる場合があります。手術の適応は、症状の程度、再発頻度、包皮の状態を診察したうえで判断します。薬での対症療法に限界を感じている方にとって、検討すべき選択肢の一つです。
【よくある質問(FAQ)】亀頭包皮炎の深い不安と疑問
Q. 亀頭包皮炎の状態で性行為をしたら、パートナーにうつってしまいますか?
A. 原因によってはパートナーに症状が出る可能性があります。赤み、カス、におい、痛みがある間は性行為を控え、必要に応じてパートナーも婦人科などで相談してください。
Q. 自分で市販のローションをたっぷり使えば、亀頭包皮炎は予防できますか?
A. ローションは摩擦を減らす助けになります。ただし、使用後に汚れやローションが包皮内に残ると蒸れや刺激の原因になることがあります。行為後はやさしく洗い流し、水分を拭き取って清潔に保ちましょう。
Q. 糖尿病の持病があるのですが、亀頭包皮炎になりやすいというのは本当ですか?
A. はい、関連性があります。糖尿病がある方は、免疫機能の低下などにより感染を起こしやすく、治りにくい場合があります。理由は大きく2つあります。
一つ目は、糖尿病によって尿の中に「糖(グルコース)」が多く含まれるためです。排尿時に包皮の内側に残った尿が、カンジダなどのカビにとって栄養となり、繁殖を促進してしまうことがあります。
二つ目は、高血糖状態が続くことで全身の免疫機能が低下し、本来であれば自分の力で退治できる細菌であっても、感染を許してしまうためです。亀頭包皮炎を繰り返す場合や、白いカス・かゆみが続く場合は、泌尿器科だけでなく内科で血糖値を確認することも大切です。
Q. 蒸れを防ぐために、患部に市販のベビーパウダーを塗ってもいいですか?
A. お勧めできません。ベビーパウダーは水分を吸収してサラサラにする効果がありますが、亀頭や包皮の内側に塗ると、汗や分泌物と混ざってダマ(塊)になり、かえって摩擦の原因になったり、毛穴や皮脂腺を塞いで炎症を悪化させたりする恐れがあります。蒸れを防ぐには、清潔なタオルで水分をしっかり拭き取り、通気性の良い綿(コットン)素材などのゆったりとした下着を選ぶことが効果的です。
Q. 温泉やプール、サウナに入っても大丈夫ですか?
A. 症状がある間は控えてください。亀頭包皮炎を起こしている皮膚はバリア機能が低下しており、刺激を受けやすい状態です。症状がある間は、刺激や蒸れ、衛生面への配慮から、温泉・プール・サウナは控えた方がよいでしょう。また、サウナなどで大量の汗をかくと患部が蒸れて痒みが強くなるほか、他の方への配慮という点でも、完全に症状が落ち着くまでは自宅でのシャワー浴にとどめてください。
Q. パートナーの女性が「カンジダ膣炎」と診断されました。自分もうつるのでしょうか?
A. カンジダ菌はお互いの体に日常的に存在する常在菌であるため、性行為によってパートナーから男性のペニスにカンジダ菌が付着することはあります。しかし、男性の免疫力が正常で、包皮内が清潔に保たれていれば、必ずしもすぐに亀頭包皮炎を発症するわけではありません。
ただし、「包茎で亀頭が常に湿っている」「免疫力が低下している」「ペニスに小さな傷がある」といった条件が揃っていると、カンジダが増えやすくなり、亀頭包皮炎の症状が出る可能性があります。パートナーが治療中の場合はピンポン感染(うつし合い)を防ぐためにも性行為を控え、もしご自身にもかゆみや白いカスなどの症状が出た場合は、医療機関で相談してください。
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本記事は、アモーレクリニック医師の監修のもと、
内容の正確性や信頼性を確認しています。

- 統括院長 兼 名古屋院院長
- 鈴木 秀明
- 略歴
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- 昭和53年5月18日生まれ
- 2007年岐阜大学医学部卒業
- 横浜南共済病院
- いちだクリニック
(福岡大学形成外科医局) - 福岡大学形成外科
- 名古屋中央クリニック開業
- 高須クリニック非常勤医師
- アモーレクリニック開業
- 所属歴のある学会
-
- 日本形成外科学会 正会員
- 日本美容外科学会(JSAPS)
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 抗加齢医学会
- 日本美容皮膚科学会






















