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- 2023.11.21
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性病の治療に「漢方薬」は有効なの?
メンズクリニックを運営している医師のなかには、西洋医学だけでなく、東洋医学に含まれる「漢方薬」に関する知識を持っている医師もいます。
漢方薬は、市販薬として販売されている場合もありますし、病院でも薬として処方される場合もあります。
意外と意識していないところで、漢方薬は身近な存在として利用されているわけですね。
そんな漢方薬を扱うメンズクリニックが存在する、ということは、ひょっとしたら漢方薬で性病の治療ができるのかも……?なんて疑問を抱いている男性も多いのではないでしょうか。
今回は漢方薬で性病が治療できるのか、そしてそもそも漢方薬とはどういった目的で利用されるものなのか、といった情報をご紹介します。
性病は漢方薬での治療は難しい
いきなり結論から述べてしまいますが、実際のところ性病は漢方薬を利用しての治療は難しい、と言わざるを得ません。
その理由はなぜなのか、ご紹介していきましょう。
○漢方薬には抗菌作用があるものもあるが性病の原因菌を殺すのは難しい
漢方薬は、自然に存在する素材を加工したり組み合わせたりすることで、薬としての効果を発揮するものです。
知識のない人間には想像ができないくらい、さまざまな効果が漢方薬には存在しているわけですね。
また組み合わせによって、同じ漢方薬でもまた違った効果を発揮する場合もあるなど、さまざまな症状の患者さんに対して、漢方医が有効だと考える組み合わせで処方できるのも特徴と言えるでしょう。
そんな漢方薬には、抗菌作用があるものも存在しています。
ほとんどの性病は、細菌などの原因菌が存在しており、そういった菌に感染することで発症します。
そのため抗菌作用のある漢方を利用すれば、性病の治療もできるように感じるかもしれません。
しかし実際には、漢方薬の抗菌作用では「体内の原因菌をすべて殺す」までの効果は期待できないのです。
西洋医学で利用される性病の薬は、効果を高めるために加工されているため、しっかりと性病の原因菌を殺せるわけですね。
こういった理由から、漢方薬では性病を完全に治療するのは難しい、と言えるわけですね。
○性病の原因菌は自然に消滅しない
性病のやっかいな部分として、放置していても原因菌は自然に消滅することがない、という点があります。
つまり薬を用いて体内の原因菌を退治しなければ、一生性病が治ることはない、というわけですね。
漢方薬を使用しても原因菌を完全に殺せないわけですから「漢方薬を飲んでいたら、いつのまにか性病が治っちゃった」なんてケースも存在しないのです。
○身体の抵抗力を高める可能性はあるが性病の完全な治療は漢方薬では不可能
漢方薬は、使い方によっては人間の身体が持つ抵抗力を高める可能性はあるでしょう。
そのため漢方薬で身体の抵抗力を高めておけば、万が一体内に性病の原因菌が侵入してきた場合、性病が発症する前に退治できるかもしれません。
また性病が発症してしまっても、身体の抵抗力が高まっていたら体内での原因菌の働きが弱まり、症状自体も軽くなるケースは考えられます。
しかし何度も言いますが、漢方薬では原因菌自体は殺せないため、性病の完全な治療は不可能です。
最初は症状を抑えられていたとしても、時間が経過するにしたがってだんだん症状が悪化していく可能性もあるでしょう。
そもそも漢方薬とはどのような場合に利用される薬なのか?
漢方薬と聞くと、なんだか「不思議な力があって、よくわからないけれども体調不良を癒してくれるもの」なんてイメージを持っている患者さんも多くいます。
しかし実際に「漢方薬とはなにか?」を聞かれて、はっきりと答えられるような知識を持った患者さんはなかなかいないでしょう。
漢方薬とはどういった薬なのか、簡単にご紹介していきます。
○漢方薬とは2種類以上の生薬を組み合わせたもの
漢方薬は、基本的に2種類以上の生薬(しょうやく)を決められた分量で組み合わせて作られた薬です。
生薬とは、植物や鉱物、動物など自然界に存在するものの全部、または一部を加工して作られた薬品のこと。
生薬の組み合わせや量によって漢方薬の効果は変わってくるため、科学的に合成されており特定の強い効果を発揮する西洋医学の薬とは、その点が最大の違いと言えるでしょう。
簡単に言えば、西洋医学の薬が病気をピンポイントに攻撃して患者さんを治療するのに対し、漢方薬は直接的に病気を治すものではない、というわけですね。
それではどんな場合に漢方薬が利用されるのか、と言えば「風邪をひきやすい」「疲れやすい」「ストレスを感じやすい」など、身体の全体的な不調を緩和させるために利用されるのです。
病気の症状だけを治療するのではなく、心と身体のバランスを取り、トータルで身体の不調を癒すのが、漢方薬の考え方と言えますね。
○「漢方薬には副作用がない」とは大きな誤解
よく漢方薬を利用する患者さんが口にするのが「漢方薬には副作用がないから安心」との言葉です。
自然由来の素材を使った薬であるため、身体に負担をかけることがない、との考え方がされています。
しかしこれは大きな誤解で、漢方薬も薬効を持つ薬である以上、身体に負担をかける場合は少なくありません。
胃もたれや皮膚の湿疹、重いものだと肝機能障害なども起こる可能性があります。
そういった副作用が起こる可能性を考えると、漢方薬を自己診断で入手して飲んだり、他人からもらった漢方薬を利用したりするのは危険ですので、やめておきましょう。
○西洋医学の薬と漢方薬を組み合わせて利用するのもアリ
「西洋医学で用いられる薬と漢方薬、この両方を組み合わせて利用するのは良くないのでは?」と考えている患者さんも少なくないでしょう。
薬としての効果や、作り方がかなり違うため、相性が悪くないかな?と考えてしまうわけですね。
しかし実際には、西洋医学の薬と漢方薬を組み合わせて利用するのは珍しいことではありません。
お互いに得意な治療、たとえば西洋医学の薬は病気をピンポイントで治療し、漢方薬は身体全体の調子を整えるなど、組み合わせて利用することで相乗効果が発揮できるケースも少なくないのです。
実際に、病院で処方された薬を調べてみると、西洋医学の薬と漢方薬が同時に処方されているケースも少なくありません。
現在ではむしろ「西洋医学だけに頼る」「漢方薬だけに頼る」なんて医師は少数派、と言えるでしょう。
もちろんこちらも素人が勝手に組み合わせて利用すると良くありませんので、しっかり医師に相談するようにしてください。
漢方薬だけに頼っての性病治療は不可能なので正しい治療を受けよう
漢方薬には漢方薬の良さがあり、その良さはピンポイントで病気を治す部分にはありません。
そのため「漢方薬だけで性病を治療したい」と考えても、それは不可能だと考えておきましょう。
性病を治療したいのであれば、しっかりと病院へ行って原因菌を調べ、その原因菌を退治できる薬を利用しての治療が必要です。
もし漢方薬を使って性病を予防したいのであれば、身体の抵抗力を上げるような漢方薬を服用する、との考え方はアリでしょう。
しかしその際もしっかり漢方薬の知識のある医師に相談して利用すること、そして漢方薬だけでは性病への感染を完全に防げないことは知っておくべきです。
性病の感染を予防するには、ちゃんとコンドームと着用すること、そして定期的にメンズクリニックで性病検査を受けること、このふたつを大切にするべきですね。