子どもの欲しいカップルにとって、夜の営み「夫婦生活」はかなり悩ましい問題です。本来なら性行為は、カップルふたりの快感と充足感を得られる本能的な衝動に基づくやりとり。ところが、赤ちゃんを授かりたいがために、種馬のように夜毎責め立てられてはたまったものではありません。セックスしたいという欲望と熱意が失われるばかりでなく、肝心の男性器が役に立たなくなってしまうのは危険性さえ孕んでいます。
これからご紹介するエピソードは、30代後半に差し掛かったあるカップルのお話です。結婚して丸8年、二人は2日と空けず、せっせと子作りに励んできました。夫の健は37歳、妻の菜摘は36歳。共にアラフォーを見据えて、最近では「不妊治療」が気になり始めていました。どうしても自分の赤ちゃんを産んでみたい、妻の菜摘は夫に懇願し、排卵日には欠かさず「連発」で子種を欲しがったのです。
ところが、どんなに回数を増やしても、さらに妊娠しやすい体位で交わっても、ちっとも彼女に懐妊する気配がありません。いらだつ菜摘は、夫健に大量の精力剤を飲むよう強要し、よりいっそう夫婦生活の頻度を増やそうと躍起になります。もはや歯止めの利かなくなった菜摘の責め苦に、健の疲労とストレスはピークに達し、ついにペニスはギブアップ。まだ30代半ばにも関わらず、彼はEDを発症してしまったのです。
このエピソードは、セックスのしすぎとストレスで勃起不全に陥り悩む、ある妊活夫婦の治療の記録です。