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- 2020.12.27
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クラミジアの感染経路と保有率|治療せず放置したらどうなる?
性感染症(STD)のなかでも日本で一番感染者が多いといわれている『性器クラミジア感染症』。最近では、性体験のある若い世代を中心に感染が広がっており、気づかないうちにパートナーへ感染してしまうことも多いのが特徴です。
クラミジアの感染経路や感染率の真相を知り感染後に放置した場合のリスクを知れば、あなたも今すぐ性病検査を受けたくなるかもしれません。
クラミジアの感染経路は?
クラミジアを含めたほとんどの性感染症は主に3つあります。
- 体液からの感染
- 血液からの感染
- 胎児への母子感染
そのなかでも特に『性行為』が主な感染ルートと言われていますが、性行為といっても挿入行為だけではありません。精液や膣分泌液、唾液などの体液からオーラルセックスで感染したり、性行為中に触れた傷口から性器への血液感染も考えられます。
さらに、日本での発症は少なくなってきたものの、クラミジア保有者の体液や血液に触れた手で目を擦るなどすると「クラミジア結膜炎」もあなどれません。
銭湯やスポーツジムの共有物は感染ルートになる?
銭湯やスポーツジムのサウナ、プールやタオルなどの共有物で性病にかかることは稀で、物質を介しての感染リスクは非常に低いといわれています。
クラミジアの病原体は感染力が強い一方で、体液や血液などに直接触れなければそれほど感染を恐れる必要のない感染症です。
クラミジアの感染経路は粘膜接触。
パートナーや家族と一緒にお風呂につかる程度であれば問題はありません。
1回の性交渉でクラミジアになる感染率は?
クラミジア感染者とコンドームを使わず、1回の性交渉で感染する確率は50%以上といわれており、男性よりも女性のほうが感染率が高いのが特徴です。
感染者の数だけみると平成14年以降はほぼ横ばい状態ですが、若年層の人口減少を考慮すると、新規感染者の数はいまだに増加傾向にあるといえるでしょう。
クラミジアの保有者はどれくらいいる?
厚生労働省の調査によれば、令和元年における性器クラミジア感染者の総数は27,221人、そのうち男性は13,947人、女性は13,274人とわずかに男性の数が上回っています。
男性のクラミジア感染者が女性の感染者数を上回ったのは20年以上ぶりで、男性の患者数がここ数年で増え続けています。最近はクラミジアにかかっても無症状の男性も多いので、実際の保有者はこの数字をさらに上回っているでしょう。
現に、性交経験のある20代前半女性の5~10人に1人の割合でクラミジアを保有しているといわれています。そのため、感染している女性のパートナーも感染している可能性が高いと考えれば、実際のクラミジア保有者はかなりの人数にのぼります。
クラミジア感染症の潜伏期間
感染の疑いのある性行為から発症までの潜伏期間は約1~3週間程度といわれており、症状が出ない方も多いのが最近の性病の特徴です。
潜伏期間中であっても性行為を行えばパートナーへ感染させてしまうのですが、潜伏期間中には性病検査で陽性反応にはなりません。知らないうちにパートナーに感染させてしまうことがあるのが、感染症の恐ろしいところです。
クラミジア性感染症の臨床症状
男性がクラミジア性感染症にかかると尿道炎の症状が最も多く、排尿時に痛みや痒みを伴ったり、不快感を感じることがあります。
ここ数年、若い世代の男性感染者に多く見られるようになったのが精巣上体炎で、睾丸が熱みを帯びたり腫れるなどの症状があらわれるのが特徴です。
クラミジア感染を放置した場合のリスク
クラミジアを放置していても、基本亭には自然治癒することはありません。一旦は症状が落ち着いても感染症にかかっている除隊には変わりがなく、クラミジア尿道炎を発症しては収まっての繰り返しです。
そこから精巣上体炎にかかってしまうと男性不妊症の原因になることもあります。精巣上体炎は尿道の不快感やかゆみ、排尿痛など尿道炎と同じような症状がでることもあり、性病を疑わずにそのまま自然治癒を待つ方も多い厄介な病気です。
何度も繰り返しますがクラミジアは症状がないからと言って完治とはいえず、別の病気を併発しやすくなるので早めの検査を行うことが大切です。
クラミジアとHIV
コンドームを付けずに行う性交渉(膣挿入・アナルセックス)を行った場合、HIVの感染確率は0.1〜1%と感染力自体はそれほど強くありません。確率論なので正確な数値に表せませんが、回数でいえば100回に1回感染する計算です。
しかし、クラミジアにかかっているとHIVの感染率が約3~5倍に跳ね上がります。
クラミジアを保有している状態の性器は、非常に抵抗力の弱い状態です。HIVだけでなく、淋病や梅毒などの他の性感染症にもかかりやすくなることを考えると、無症状であっても放置しておくのは大変危険といえます。
クラミジアへの感染が発覚した場合は専門の医療機関でHIV感染をしていないか一度検査をしてみることをオススメします。
クラミジアを早期発見するために
クラミジアは待っていても自然には治りません。別の病気を発症する前に、早期発見・早期治療が大切です。疑わしい行為があったあとはもちろん、排尿時の痛みや尿道のかゆみがある場合は念のために性病の検査を受けましょう。
さらに、日常的に自分の性器の健康状態をこまめにチェックすることも、性感染症の早期発見に非常に役立ちます。
- ペニスに違和感を感じる
- パンツにシミ(膿や分泌液)がつく
- 睾丸が張っている気がする
お風呂やトイレなど、自分の性器は一日一回は目にする機会は誰にでもあります。
コンドームなどで性病を予防することも大切ですが、少しの変化をも見逃さないことが大切なパートナーを守るためにできる心がけです。
まとめ
性器クラミジア感染症は日常生活ではほとんど怖がる必要はないものの、性行為やセックスなどを行う場合は常に気を付けるべき性病のひとつです。
放置していても自然治癒しないばかりか、さまざまな病気を引き起こす原因となるため、早めの発見・治療を行うことが大切です。また、性病検査を受ける際にはパートナーと一緒に受けることも忘れないようにしましょう。